マナーと登山道保全について

マナーと登山道保全について

トレイルランニングの魅力や技術的なことを書いてきましたが、登山道はトレイルランナー以外の多くの方が楽しまれていますのでマナーはとても大事。自然保護を含む登山道保全も常に心掛けスマートなトレイルランナーになりましょう。

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狭い登山道にハイカーがいる場合、どちらかが避けないとすれ違うことができません。
基本的には登り優先というルールがあります。人が待っていると多少なりとも焦って歩く訳ですが、登りで転倒しても大したことになりませんが、下りで転倒すると大変ですよね。ですから原則的には登りが優先となっています。ただ「どうぞ」など譲っていただいた場合は下りでも先に行くことがありケースバイケースだったりもします。

登山者とすれ違う時は10mぐらい手前から歩きに変え、「こんにちは」など挨拶をしながら無理なくすれ違うようにしましょう。登山者の直前まで走ると「避けないといけないのかな」という心理が相手に働き不快に思われることが多いですのでご注意下さい。

横幅3〜4人分くらいある登山道は、登山者とある程度の距離を保ってジョグですれ違うようにしましょう。くれぐれもすぐ脇を猛スピードですり抜けないように。相手からすると当たらなくても恐怖感がありますからね。

特に法律がある訳ではありませんが、個人的な意見として体力のあるトレイルランナーが登山者に配慮した方がスムーズだと思います。めちゃくちゃ登山者の多い山だと大変ですが、さほど登山者が多くないトレイルでしたら、こちらが避けて待つことが多くてもストレスはありませんしね。視野を広く余裕のある振る舞いを心掛けましょう。

あと注意したいのが熊鈴です。熊のいる山域で少人数で行動をしている時は別ですが、熊のいない山域や大人数の場合はなるべく熊鈴は使用しないようにしましょう。登山者からすると自転車のベルのように「どけどけ」と言われているような気分になりますから。

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写真のように急斜面をジグザグ道がついているような場所では落石に注意。斜面の下に登山者がいたらジョグにするか歩くにするか落石しないように配慮しましょう。一般登山も含め落石の事故は結構多いです。融雪などによる落石は仕方ありませんが、人為的に石を落としてしまったら責任はもちろんありますからね。走っている本人は「大丈夫」と思っていても、下にいる人は「石落ちないかな〜」という心理が働くことも計算しましょう。

また、登山道の脇で食事をしている人のすぐ脇を駆け抜けることも注意が必要です。
特に乾燥して駆けると砂埃が立つ時は走りはNGです。

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続いては登山道保全について。
自然保護ということになると生活や経済活動など広範な話になってしまいますので、トレイルランニングを行う上では、登山道保全ということを特に気をつけていきましょう。
まずとても大事なこととして登山道以外のところを走ったり歩いたりしないことです。踏み跡をむやみやたらに広げないようにしましょう。花の時期はスミレやカタクリなど綺麗な花が咲き乱れます。花期にたくさんの花が登山道の脇に咲くように配慮しましょう。登山者とすれ違う時だけ登山道の脇に足を踏み入れるようにして下さいね。

ストックの使用も同様で先端にゴムを装着すること、登山道の脇の草地にストックを突かないように心掛けて下さい。セブンヒルズアドベンチャーのツアーでは、ストックの使用は自然へのダメージと後続ランナーへの危険という観点から原則禁止にしています。

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写真を見るとお分かりになるかと思いますが、よく踏まれる場所からは植物は育ちません。このように階段の下など足が置けない場所からは植物が咲いています。一度踏み跡がキッチリついてしまうと植生回復するまでに長い年月を要します。

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また登山道にある器物破損にも気をつけたいものです。特に老朽化した階段など駆け下ると壊れやすいですから、スピード落として階段に優しく下っていきましょう。

最後に当たり前ですがゴミを落とさないようにご注意下さい。アメやサプリメントの袋が登山道に落ちていることが多いですので、サプリメントなどを摂ったらゴミ袋に入れてザックかジッパーのあるところにしまうようにしましょう。チャックのないポケットに突っ込むだけというのが落ちやすい傾向にあります。各自でしっかり管理して下さいね。

マナー良くトレイルランニングを楽しみましょう!


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池ヶ谷 誠 について

セブンヒルズアドベンチャー代表。東京近郊でアウトドアツアーを企画運営。MTB・トレイルランニング・シャワークライミングなどマルチにガイディングしています。1973年神奈川生まれ。
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