
観光サイクリングin三鷹の下見に行ってきました。
集合はJR東小金井駅近くの駐車場。中央線沿いをサイクリングして三鷹へ移動。
三鷹の地名は、野方領・世田谷領・府中領の3領にまたがるかつての鷹場の村々が集まった事に由来するとされています。緑豊かで癒されるエリアですね〜。

三鷹は多くの文豪が暮らした「文士の街」。
太宰治も三鷹で暮らしましたが、1948年に38歳で玉川上水にて入水自殺をした場所には、太宰治の故郷である津軽の玉鹿石を石碑として偲んでいます。それにしても太宰治の自殺企図歴が凄い。数えられるだけでも8回だそうです。

「路傍の石」で有名な小説家である山本有三が昭和11年(1936)から昭和21年(1946)まで家族とともに住んだ家。戦後にGHQに接収された時期もありましたが、現在は三鷹市山本有三記念館として一般公開されています。しかし残念なことに2025年5月〜2026年4月まで施設改修工事のため見学不可になっています。ツアー代金に含まれていた入館料300円は当日ご返金いたします。

大正末期に建てられた洋風の住宅で、フランク・ロイド・ライトの影響が強い。建築家は不明とのことですが、正面側の大谷石を積み上げた煙突が特にカッコイイです。

室内も意匠を凝らしまくりです。改修が終わったら三鷹駅から近いので是非ご覧くださいませ。

井の頭公園へ移動。

「ちいさい秋みつけた」「めだかの学校」など多くの名曲を作った中田喜直は1945年から1951年にかけて三鷹で暮らしました。現在、三鷹駅の発車メロディーは「めだかの学校」が採用。また、中田喜直が三鷹時代に作曲した「雪の降るまちを」は、フィンランドの映画監督であるアキ・カウリスマキが1992年に撮った「ラヴィ・ド・ボエーム」のラストシーンにも使われています。古今東西、多くの方々に愛される作曲家。

神田川は武蔵野三大湧水池である井の頭池を源として江戸時代初期に上水として開削されました。江戸は海を埋め立てた場所も多く井戸を掘ると塩分が含まれてしまいます。また隅田川は舟運に使用されていたため水質が悪い。徳川家康も「関東随一の名水」と言った記録も残っているほど当時の井の頭池は水質が良かったそうです。神田川への立ち入りを禁じることで水質を保ち、江戸市中の人々の飲料水として利用されました。後に江戸の人口が増加したことで新たに開削されたのが玉川上水です。

吉村昭書斎へ。
吉村昭は徹底的な調査を基にした緻密な記録文学で人気の小説家。(昭和2年(1927)-平成18年(2006))
昭和44年(1969)に三鷹市井の頭に引越し、亡くなるまでこの地で執筆活動をします。2024年に三鷹市は吉村昭の仕事場であった書斎を移築し整備。

書斎は資料が広げられて展示してあり、それっぽく雰囲気を演出しています。

深大寺へ移動。深大寺といえば蕎麦です。
歴史は古く、江戸時代から人気を誇ります。ツアーでは一休庵を予定していますが、混雑時は変更にする場合もございます。

蕎麦は抜群に美味しいです!
「二八蕎麦」「十割蕎麦」の他に、屋号にちなんだ「一休(一九)蕎麦」の3種類の蕎麦から選べます。

深大寺の開山は733年。浅草寺(628)に次ぎ東京都内で2番目に古い寺院です。創建当初は法相宗でしたが平安時代に天台宗に改宗。天台宗の総本山は比叡山延暦寺であり、比叡山中興の祖として有名な第18代天台座主の良源(元三大師)の巨大(坐像で高さ2メートル!)な元三大師坐像が有名です。江戸時代以来となる本格修理を奈良国立博物館で実施し深大寺に戻ってまいりました。大開帳は2025年6月2日(月)ですのでツアー開催日は拝観可能です。(別途1,000円)

また白鳳時代(645~710)に畿内で造られたとみられる白鳳仏(銅像釈迦如来倚像)も傑作として有名ですが、ツアー開催日は奈良国立博物館に出陣しています。
「なぜ白鳳時代の傑作が東国に来たのか?」
調布から狛江にかけては古くは狛江郷と呼ばれ、高麗(朝鮮半島)からの渡来人が多く住んだ土地でした。深大寺も関係が深いとみられています。

国立天文台へ。
もともとは明治21年(1888)東京麻布に観測所を設置しましたが、都市化で明るく観察に適さなくなったため郊外の三鷹へ大正13年(1924)移転しました。名称が東京天文台から国立天文台に変更したのは昭和63年(1988)になります。

ここはなんといっても大正〜昭和初期に建設された施設が素晴らしい。

アインシュタイン塔。
アインシュタインの一般相対性理論を検証する目的で1930年に建造。
建物全体が一つの巨大な望遠鏡というユニークなもの。

大赤道儀室(現・天文台歴史館)には口径65センチの日本最大級の屈折望遠鏡。
でっけぇ〜!!!

国立天文台の近くには三鷹天命反転住宅。
ニューヨークを拠点に活動した荒川修作と妻であるマドリン・ギンズによって2005年に「死なないための住宅」を具現化した建造物。
荒川修作の日本における建築作品は以下なので、三鷹天命反転住宅は大変貴重なものです。
「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(1994年 岡山県奈義町)
「養老天命反転地」(1995年 岐阜県養老町)
「志段味循環型モデル住宅」(2005年 愛知県名古屋市)
「三鷹天命反転住宅」(2005年 東京都三鷹市)

土日のみ開館の「STIギャラリー」はスバルファンの聖地らしい。
名車やレースカーが間近で見られちゃうんです!

森鴎外と太宰治も眠る禅林寺へ。

山門を入ると森鴎外の遺言が書かれた石碑。

森鴎外こと森林太郎。

太宰治の小説「花吹雪」より抜粋。
「すぐ近くの禅林寺に行ってみる。この寺の裏には、森鷗外の墓がある。どういうわけで、鷗外の墓が、こんな東京府下の三鷹町にあるのか、私にはわからない。けれども、ここの墓地は清潔で、鷗外の文章の片影がある。私の汚い骨も、こんな小綺麗な墓地の片隅に埋められたら、死後の救いがあるかもしれない」

ここからはお土産とおやつの時間。
まずはベーカリーミッドモースト。人気のパン屋さん。

「すえき」のたい焼き。

神様と天使の軽快なやりとりが特徴の「人間万歳」は武者小路実篤の戯曲。昭和12年(1937)から昭和30年(1955)まで三鷹に住みました。

三鷹といったら太宰治。
太宰が通った酒屋「伊勢元」跡地に開設した太宰治文学サロンを軽く見学します。

東小金井に移動して最後はコガネイチーズケーキをお土産に。

白砂糖・合成甘味料・保存料・添加物を一切使用しないチーズケーキです。お土産にどうぞ〜。ツアー後は町中華の名店「宝華」で宝そばを食べて帰るのもオススメです。
文豪多すぎな三鷹サイクリングツアー。ご興味のある方はお気軽にご参加くださいませ。