観光サイクリングin手賀沼の下見に行ってきました。
集合は我孫子駅。明治29年(1896)に我孫子駅は開業。手賀沼の景観がもたらす風光明媚な土地に加え、東京からの利便性が増したため多くの文化人が居を構えました。「北の鎌倉」とも称される芸術サロン的要素もあった我孫子。
まずは杉村楚人冠邸へ。
東京朝日新聞のジャーナリストであった杉村楚人冠の住居。
大正13年(1924)に建てられた住宅。
和洋折衷の内部を見学することができます。
杉村楚人冠のインテリを感じることができる設えです。
民藝で有名な柳宗悦の住居跡。
椎の木が3本あったことから三樹荘と名付けたそうです。声楽家として活躍した中島兼子と大恋愛の末に結婚した柳宗悦は、叔父である嘉納治五郎(近代柔道の創始者であり講道館の創設者)の誘いで我孫子に移住。この場所でバーナード・リーチと論戦を交わし、リーチが作陶した場所でもあります。兼子が弾くピアノは手賀沼に響き渡っていたそうです。
嘉納治五郎別荘跡地。
「理論の嘉納、実践の三船」
三船十段の動画はYouTubeにありますからご興味ある方はどうぞ〜!
ハケを下ると白樺文学館へ。
武者小路実篤や志賀直哉によって発刊された白樺。
島崎藤村や田山花袋に代表される自然主義文学に対抗し反自然主義として現れたのが白樺派です。
田山花袋の蒲団の影響が強かったのだろうと思います。ありのままを重視するために人間の弱さや欲望も隠さずに描いてしまった作品は、個人の尊厳を重視する反動が生まれてしまいました。
専門家に怒られそうですけどザックリまとめると、
自然主義 → 「人間の生々しい現実」
白樺派 → 「人間の理想や尊厳」
柳宗悦も「白樺」に寄稿しました。
館内には当時の三樹荘の模型が展示。ルノワールやロダンは「白樺」によって初めて日本に本格的に紹介されました。岸田劉生や藤島武二など画家も「白樺」に集います。そして柳宗悦やバーナード・リーチらの民藝。柳兼子の音楽。当時の我孫子はまさに芸術全般の土地であったことが分かる文学館でした。
文学館の向かいには志賀直哉書斎跡が保存されています。
柳宗悦の勧めで大正4年(1915)に移住。この書斎で「小僧の神様」を執筆したそうです。
ランチはコ・ビアンを予定。
我孫子駅南口近くで2店舗構えます。
ザ!洋食です。
ランチセットは、サラダ・・・
スープ(写真はパイ包みに変更+400円)・・・
メイン(写真はハンバーグ・チキンソテー・サーモンフライ)・・・
ライスまたはパン・・・
オプションでデザートも選べます。
良心的な価格でありがたいお店!
ランチ後は手賀沼サイクリング。結構な距離を走ります!
旧手賀教会堂。キリスト教は大きくカトリック・プロテスタント・東方正教会の3つに分けられます。東方正教会のひとつであるロシア正教を日本に伝えたニコライによって(正確には正教を伝えた)、明治時代以降に御茶ノ水を中心に全国各地に広まります。
この旧手賀教会堂は現存する日本で唯一の転用教会堂。民家を利用して教会として転用したものです。日本人初のイコン画家としても有名な山下りんの聖画も間近に拝見できる。立地が不便なので立ち寄る人は少ないと思いますが、凄いところが手賀沼にはあったものだ!と感動。
日露戦争時もニコライは日本に留まった。その後、母国ロシアではレーニンが正教会を弾圧する。時代に翻弄されながらもお茶の水にはニコライ堂が残り(現在の建物は関東大震災のため昭和4年に建てられた2代目)、モスクワには聖ワシリイ大聖堂が残ります。
お茶の水のニコライ堂は関東大震災の際に焼失したため山下りんのイコン画がありませんが、旧手賀教会ではロシアまで留学した山下りんの聖画を間近に拝見することができます。
洗礼に使用した木桶。
旧井上住宅。この地の名主です。江戸で雑貨商を営んでいましたが、江戸時代中期以降に干拓事業のためこの地に移住。
江戸時代末期〜昭和初期に建てられた建造物が多く保存されています。
母屋は土間までしか入れませんが内部を拝見できます。
平安時代に新皇と名乗った平将門。本拠地は常総ですが支配下であった我孫子にも平将門伝説は残っています。
賽銭箱ならぬ賽銭ポスト。
近くには将門の井戸と云われる「まいまいず井戸」。
手賀沼湖畔に戻りnuma cafeで少し休憩する予定。
鳥の博物館。日本国内唯一の鳥専門の博物館です。
山階鳥類研究所の凄さが分かる標本数。
2階は日本の鳥、3階は世界の鳥と絶滅した鳥、という展示になっています。
始祖鳥。アウトドアブランドのアークテリクスで馴染みがあるかと思います。
アーケオプテリクスは1860年にドイツで化石を発見、以降14体の全身化石が見つかっています。中生代後期ジュラ紀なので約1億5080万〜約1億4500万年前に存在したそうです。
絶滅したディアトリマの復元模型。
400年前まで存在したドードーの復元模型。
警戒心がなく飛べなかったため、大量に捕獲され船員の食料となったそうです。
あびこ農産物直売所でお買い物タイム。
我孫子産の野菜のほか、
将門麦酒も売っています。
コットンフィールドでパンのお土産。
日本らしいパンがとっても美味しいお店。
「週末の遅い時間はパンが少ないかも〜」とのことでした。
旧村川別荘。東京帝国大学で西洋古代史の教鞭をとった村川堅固の別荘です。
新館は朝鮮の建物を意識して昭和2年(1927)に建てられました。
内部に入ると寄木のフローリングがお洒落です。
玄関を入ってすぐに展示されているバーナード・リーチの三角椅子のほか、電気がなかった頃に母屋と新館の間で使用されていたこの木製灯籠も珍しい。
寺院っぽい意匠の新館。
続いては母屋。
大正10年(1921)に我孫子宿本陣にあった離れを移築・改修したそうです。
内部は純和風。新館の和洋折衷とは対照的。
すっきりした美しさの母屋でした。
文化人が移り住んだのはハケ(崖)のあたり。崖上に住んだ方もいるし、崖下に住んだ方もいらっしゃる。当時は湧水も多かったそうです。
旧我孫子宿名主邸だった小熊邸。駅から5分の立地に茅葺き屋根があるとは〜!!!
他にもこの付近には興味深い建物がいくつも残されています。
最後はアビシルベ。我孫子インフォメーションセンターです。
小さなスペースですが我孫子特産土産を販売しています。
白樺派に想いを馳せながら白樺カレーを食べてみてはいかがでしょう?
こんな流れの手賀沼サイクリングツアーに是非!



















































池ヶ谷 誠 セブンヒルズアドベンチャー代表。東京近郊でアウトドアツアーを企画運営。MTB・トレイルランニング・シャワークライミングなどマルチにガイディングしています。