潮来&佐原の下見その2

潮来&佐原の続きです。昼食の後は長勝寺へ。

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長勝寺は1185年に源頼朝が創建したお寺。
紅殻塗りの優美な山門は、徳川光圀公の意向で近隣の寺から移築されたもの。

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入母屋造りの仏殿の棟上には源氏の定紋である笹龍胆(ささりんどう)。
重厚で優美な茅葺尾根が存在感抜群です。
松尾芭蕉(1644~1694)が鹿島紀行での帰路に詠んだ句碑もあります。
「旅人と 我が名呼ばれん 初時雨(はつしぐれ)」

1687年、芭蕉44歳の歌です。
初時雨(その年最初の雨)がきた。漂白の旅に出る私は「旅人」と呼ばれるにふさわしい
という意味だそう。季節は冬、旅人であることを誇りに持って楽しむような風情の句。

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鎌倉幕府第14代執権の北条高時(1304-1333)が1330年に寄贈した国指定文化財の銅鐘には「客船夜泊常陸蘇城」(かくせんやはくひたちのそじょう)という銘文があります。中国蘇州を彷彿とさせる水郷潮来の当時の景観が偲ばれます。
北条高時の招きで中国から来た僧である清拙正澄(せいせつ・しょうちょう)の銘文なので蘇州なのですね。鎌倉の建長寺、浄智寺、円覚寺に所縁のある禅僧であります。

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長勝寺の裏手には稲荷山公園があり、あじさいの小径が続いています。

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潮来を展望できる小高い丘になっています。
「おれは河原の枯れすすき 同じお前も枯れすすき どうせ二人はこの世では 花の咲かない枯れすすき……」 と男女の間柄を歌っている何とも暗い詞を書いた野口雨情さんの「船頭小唄」の碑もあり、たまに団体さんが来て碑の前で熱唱することもあるのだとか。

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そして佐原に戻ってきました。
江戸時代より水運業で栄えた商家町で重要伝統的建造物保存地区に選ばれている貴重な町並みが残されています。江戸末期〜明治に建造された建物がたっくさん。

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佐原三菱館。大正3年に建てられた洋風煉瓦造建築。

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創業350年という老舗の油茂(あぶも)製油さん。ラー油とごま油のお店です。

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木の下旅館さん。なんていう味わいなのでしょうか。
機会があったら泊ってみたいものです。

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桶橋。30分に一度ジャージャー水が落ちます。
もとは江戸時代の前期につくられた佐原村用水を、小野川の東岸から対岸の水田に送るための大樋。300年近く使われ、戦前にコンクリートの橋になってからも橋の下側につけられた大樋を流れる水が、小野川にあふれ落ちて「ジャージャー」と音を立てるので、「じゃあじゃあ橋」の通称で親しまれていたそうです。

ちなみに伊能忠敬の旧宅は桶橋の前にあります。伊能忠敬は18歳の時に佐原の伊能家に婿養子となり、酒・醤油の製造、貸金業、そして利根水運にも関わり商人として成功します。50歳を過ぎてから測量・天文観測などを修め、56歳から17年の歳月をかけて全国を測量し大日本沿海興地全図を完成させました。

水郷、あやめ、小江戸を満喫しに潮来&佐原へ是非!


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池ヶ谷 誠 について

セブンヒルズアドベンチャー代表。東京近郊でアウトドアツアーを企画運営。MTB・トレイルランニング・シャワークライミングなどマルチにガイディングしています。1973年神奈川生まれ。
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