観光サイクリングin館林(前半)

観光サイクリングin館林/入門

少し前に館林まで下見に行って来たのでツアー当日の流れと詳細をまとめておきます。
写真点数が多いため記事を2つに分けて投稿します。

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館林は上毛かるたで「ツル舞う形」と喩えられた群馬県の「ツルの頭」に位置します。
館林駅は1907年開業の歴史ある駅。
東武鉄道の伊勢崎線、佐野線、小泉線が乗り入れています。

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駅に着くと館林市のマスコットキャラクター「ぽんちゃん」がお出迎え。
童話「分福茶釜」が生まれた茂林寺のある館林市キャラクターとして2010年に誕生したそう。頭には市の花でもあるツツジを飾っています。

駅の西側には、1873年に正田文右衛門が千葉県野田市の茂木房五郎より醤油醸造業を勧められ創業した正田醤油、1900年に正田貞一郎らによって館林製粉として創業された日清製粉グループの製粉ミュージアムが隣接されています。正田家は凄いなぁと思うのですが、それもそのはず皇后美智子様の家系。小麦の産地ということも分かりますね。

駅の東側には、徳川四天王の一人であり榊原康政が1590年に館林城に入り整備した城下町が広がります。館林城は15世紀に築城、1874年に廃城。ちなみに徳川四天王は、徳川家康の側近として仕えて江戸幕府の樹立に功績を立てた酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政の4人の武将のこと。

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さて、肝心のツアーについて。
まずは七福神めぐりをします。フラット中心で25kmのサイクリング。
最初に訪れるのは870年創建と云われる長良神社。商売繁盛、縁結びの神の恵比寿様。
七福神の中では唯一の日本伝来の神様です。

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2番目に訪れるのは尾曳稲荷神社。水神・農業神として崇敬され、七福神中の紅一点、琵琶を弾く妖艷な姿で現される弁財天。古代インドの水の神サラスヴァーティーです。
1532年創建。

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ちょっと寄り道。山王山古墳です。6世紀後半の前方後円墳。

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3番目に訪れるのは善長寺。中国の伝説中の人物で長寿(長生き、長命)を授けるといわれる寿老尊。1523年創建。お辻・松女の墓があることでも有名です。
徳川四天王の榊原康政の側室「お辻」は美しく、城主に愛されていたことからお城に上っている女性たちに執拗ないやがらせを受け、その責めに耐えきれず、侍女お松を伴い城沼に身を投げ死を遂げました。時に1605年のこと。里人はこれを悲しみ、その霊を弔うために、「お辻」「ツツジ」の音が似かよっているところから、その名にちなんで、ツツジを城沼の南岸に植え、その後、次第に増殖して名園になったと語り継がれています。

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4番目に訪れるのは善導寺。708年に行基により開山。戦勝の神としても崇拝され戦国時代には多くの武将が守護神とした毘沙門天。元はインドのヒンドゥー教のクベーラ神。
徳川四天王の榊原康政の墓があります。

ここで七福神についてまとめておきます。
インドのヒンドゥー教(大黒・毘沙門・弁才)、中国の仏教(布袋)、道教(福禄寿・寿老人)、日本の土着信仰(恵比寿・大国主)が入りまじって形成された、神仏習合からなる日本的な信仰対象で室町時代末期頃から信仰されているといわれています。

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5番目に訪れるのは雷電神社。関東地方を中心に日本全国に点在する雷電神社の総本社。創建は598年で、当時は伊奈良の沼と呼ばれる湿地に浮かぶ小島であったこの地に、聖徳太子が神の声を聞き、祠を設けてその神を祀ったものとされているそう。
南極星の化身といわれる中国の伝説上の道士である福禄寿。長寿・金運・子孫繁栄の神。
写真左奥が八幡宮稲荷神社。1547年造営の群馬県内に現存する最古の神社建築で国指定重要文化財です。写真手前が奥宮。1868年の造営で名工のノミの冴えを見ることができるそうだ。(よほどの通じゃないと分からない気もしますが・・・)

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上州・板倉の雷電さまにお参りしたら「ナマズを食べずに帰れない」として有名だそうで、1836年創業という老舗の小林屋さんが良い感じの佇まい。

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本社は1835年の造営で江戸時代神社装飾建築の粋を集めた華麗な社殿。
五代将軍綱吉公が館林城主時代(1674年)に社殿の大改修を行い、以後、雷電神社では三ツ葉葵の紋章が用いられるようになりました。三ツ葉葵がキラリーン☆
彫り物は石原常八の作。写真右の御神木は「龍灯の杉」といわれ、聖徳太子が雷電神社を創建の折、この杉に明かりが灯り境内を照らしたそう。

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本社の左手から雷電沼に続く道がついています。

「上つ毛野 伊奈良の沼の 大藺草 よそに見しよは 今こそ益され」

雷電沼は万葉集の東歌に「かみつけの いならのぬまの おおいぐさ よそにみしよは いまこそまされ」と詠まれた景勝。意味は、伊奈良の沼に生えている大藺草のように、あなたのことは遠くで見ていたときより、こうして近くで知り合った今の方がいっそう恋しく思われます。というロマンチックなもの。

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雷電神社の裏手にあると社務所には「なまずさん」。
あまりのリアルさに笑ってしまったのだけど、「なまずさん」をなでると地震を除けて、元気回復、視力改善、自信が湧き出るとして、親しまれているみたいです。

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6番目に訪れるのは普濟寺。1523年開山。実在した中国の禅僧で予知と金運の神として尊敬された布袋尊。茅葺尾根の山門と2本の銀杏が印象的。

後半につづく・・・


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池ヶ谷 誠 について

セブンヒルズアドベンチャー代表。東京近郊でアウトドアツアーを企画運営。MTB・トレイルランニング・シャワークライミングなどマルチにガイディングしています。1973年神奈川生まれ。
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